
全国商工会議所観光振興大会2017in前橋(11/9-11)
全国商工会議所観光振興大会は、日本商工会議所が地域活性化を目的として、各地での観光地づくりの事例発表や情報交換などを目的に、開催地の商工会議所と年一回、開催しております。2017年は、群馬県前橋市にて、11月9日(木)~11日(土)の日程で開催いたしました。
過去最大の登録者数、約1,850名となり、本当に多くの方々にお越しいただき、お陰さまで盛大に開催することができました。至らぬ点などもあったかと思いますが、お越しいただいた皆さまはもとより、ご協力いただいた皆さま、誠にありがとうございました。ここに御礼を申し上げます。
今回の大会を通して、観光振興へのヒント、めぶきにつながる内容であったこと、また例え観光都市でない地域でも、新しいかたちでの観光で地域を盛り上げていく-そんな視点を感じてもらえれば幸いです。
前橋大会のテーマと狙い
大会テーマ: 見つけよう観光、磨こう観光 ~地域から新しい風を吹かせ~
2020年の東京オリンピック・パラリンピックが迫るなか、日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)は年々増加しています。しかし、多くの地方都市では、知名度やブランド力が低く、受け入れ態勢に課題が多いことから、「こんなまちでは人は呼べない」とあきらめているところが多いのではないでしょうか。
一方で、観光は、すそ野が広い産業であり、経済波及効果が高いため、国も地方創生の核として積極的に支援するなか、観光に力を入れる地域も増えてきています。各地域ごとに様々な誘客活動を行い、交流人口が増えることで、地域経済も活性化されます。様々な文化・風習が息づく日本には、どの地域にも観光資源になる素材がありますが、現実には掘り起こしや磨き上げがまだまだできておらず、情報発信も不十分であるなど、様々な課題が多いのが現状です。
前橋大会では、世界遺産登録「富岡製糸場」のルーツ”前橋”から吹いた風が、時を超え、人をつなぎ、観光に新たな風を吹かせるために、産業や食、医療、温泉、自然、文化、芸術、歴史などの地域資源をを掘り起し、磨き上げ、観光の素材として地域に定着させたいと考えています。
そうした核を結び付けた『観光立地域』づくりのための視点を構築するとともに、観光客を安心・安全・快適に向かい入れるために必要なヒト・モノ・コトを改めて問い直し、地方都市だからこそできる、おもてなしやネットワークなど新しい観光のカタチを提案します。
地域経済を活性化させ、地方創生を実現するためにも地域の事業所や市民がWin-Winの関係を作り上げることで、継続的に発展する地域をめざし、「今観光都市でなくても、将来は観光地として羽ばたくことができる」ことを発信し、同じ悩みを持っている地域のヒントにしてもらえる大会として「前橋アピール」を取りまとめました。
前橋アピール「観光イノベーション」で、地域に新しい風を吹かせよう!!
われわれは、ここ前橋において、「見つけよう観光 磨こう観光~地域から新しい風を吹かせ~」をテーマに掲げ、「全国商工会議所観光振興大会2017 in前橋」を開催した。
世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、時を越え、人々の熱い思いで再び新しい輝きを放った。その勢いは、地域に夢と希望をあたえ、広域での連携は加速度的に高まってきている。
伝統・文化や産業・技術は、それを伝承してきた人々の不断の努力と、地域の支えがあってこその宝であり、磨けば光る観光資源の原石である。
今大会では、そこに視点をあて、日本の産業近代化を牽引した器械製糸の生地・前橋で、歴史・文化・芸術・自然はもちろんのこと、産業や医療など地域が持つ宝を観光の視点で吸い上げ、磨き上げることにより、新しい「めぶき」が生まれること、そして、観光が地域経済活性化の原動力となることを確信した。
近年、大災害が続発したことを契機に、人々の安心・安全に対する意識が大きく変わったように、2020年のオリンピック・パラリンピック大会が近づき、訪日外国人旅行者が飛躍的に増加している現在、安全な観光の実現と観光基盤整備を充実して、インバウンドツーリズムをさらに推進しよう!!
今こそ、チャンス。商工会議所のネットワークと活力で、「観光イノベーション」を巻き起こし、地方創生を促進し、地域に輝きを持たせるために、下記の事項をアピールする。
記
<1>
産業観光などの今までにない視点で、地域資源を見つめ直す努力をするとともに、ヘルスツーリズムなど、手法を変えて観光資源を磨き上げ、新しい発想で魅力ある観光商品の開発に積極的に取り組む。
<2>
ICT等の活用や従来型商慣習を見直すとともに、古いものを再利用するリノベーションなどにも目を向け、経営の近代化・効率化を推進し、観光を支える人材の育成・確保を積極的に行い、観光客目線に立ち、親しみやすい観光産業の発展につなげていく。
<3>
災害時の旅行者の安全確保や2次交通の整備などの観光基盤整備を推進し、観光客を安心・安全・快適に迎え入れるために、必要なヒト・モノ・コト、そしておもてなしやネットワークなど新しい観光のカタチの構築に努める。
以上
大会概要
■日時:平成29年11月9日(木)~11日(土)
■会場:全体会議:ベイシア文化ホール、交流会:ヤマダグリーンドーム前橋、分科会;ベイシア文化ホール、ヤマダグリーンドーム前橋、群馬会館、前橋商工会議所、前橋テルサ
■主催:日本商工会議所/前橋商工会議所
■共催:群馬県商工会議所連合会
■協力:(一社)栃木県商工会議所連合会・茨城県商工会議所連合会・ (一社)長野県商工会議所連合会
■大会スケジュール・内容
大会開催による県内への経済波及効果:1億7,300万円
本大会開催による群馬県内への経済波及効果の試算を、(一財)群馬経済研究所に依頼した結果、経済波及効果は1億7300万円と算出されました。また、試算にあたり大会参加者へのアンケートを実施しています。
【推計の前提】
①参加者数:1,841人
②総支出額1億3300万円 = 主催者支出額3600万円 + 参加者消費額9700万円
③参加者消費額9700万円= アンケート調査に基づく推計6100万円+エクスカーション参加費900万円+全体交流会費用等2700万円
・アンケート調査に基づく推計項目:交通費、宿泊費、土産代、飲食費、入場料等
・エクスカーション参加費及び全体交流会費用等:主催者提供資料により確認
【解 説(群馬経済研究所より)】
・今回の観光振興大会は、過去の開催実績のなかでは数少ない観光地と認識されていない都市での開催であった。アンケート等でも指摘されているように宿泊施設数が少ない(特に高級クラス)など立地条件に恵まれないなか、参加者消費が約1億円に上ったことは主催者の努力の賜物であるといえる。
・①全体交流会での地元食材による料理提供、②前橋商工会議所会員企業の推薦の店舗が掲載されたグルメマップ作製による市内への回遊促進、③地元宿泊施設利用の推奨や大会運営業務の地元事業者への優先的な物品・業務の発注など地域への経済効果を高める取り組みが至るところにみられた。
・13種類の多彩なエクスカーションの提供により多くの参加者を集め、群馬県内のみならず栃木県や長野県へのコース設定があり、県外にも波及効果を及ぼしたと考えられる。
・エクスカーションは群馬の観光地のお試し体験となり、全体交流会での地元食材の提供はご当地グルメの、物産展の開催は名産品のPRとなり、観光やグルメ、名産品といった全般的な観光振興の後押しとなった。
・参考ながら、県外からの参加者の消費額単価は、観光庁「共通基準による観光入込客統計」の日本人(ビジネス目的)(群馬県、2016年)の数値を宿泊、日帰りともに5割以上上回っている。
・外部事業者に委託せず、主催者の手作りによるおもてなしの姿勢はアンケート調査でも高く評価されており、地域イメージの向上につながったことが伺え、今後の観光振興につながると考えられる。
大会実施報告書
本大会の実施内容をまとめた、報告書です。各項目をクリックしますと内容をご覧いただくことができます。
●分科会
●裏表紙
大会内容(クリックすると詳細をご覧いただけます)
本大会で行った各プログラム内容です。上の見出しをクリックしていただきますと詳細をご覧いただくことができます。
本件のお問合せ先
前橋商工会議所
TEL 027-234-5111