買い物弱者支援の取り組み

取り組みの背景と経緯


全国どこの地方都市でも抱える課題として、

「買い物弱者」という問題があります。


買い物弱者が発生する背景(イメージ)



買い物弱者とは商業の衰退や業態、交通網の変化により、

身近な場所での日常の買い物ができず、

困難な状況に置かれている人々のことです。

高齢化社会の進展と伴ってその数は増加していると見られ、

経済産業省では600万人程度と推計されています。

  ■ 経済産業省 「買い物弱者対策支援について」(外部リンク)


前橋市内でも高齢化が進み、

商店の閉店や大型店の相次ぐ撤退など

日常の買い物や生活に必要なサービスを

受けるのに困難を感じる方々が増えています。

  ■前橋市の人口(高齢化)予測

そこで、商品だけではなく市民の生活を守るサービスを

提供するために、商店街をはじめ、行政、関係機関・団体等と

様々な意見交換を重ねてまいりました。



群馬県協調補助事業を活用した取組の開始


買い物弱者(難民)と思われる方々に安心して買い物できる

商業集積地として「商店街で出来ること」を中心商店街が

主体となって検討し、群馬県協調補助事業:「平成23年度前橋市

中心市街地商業活性化支援事業」を活用して、

アンケート調査や社会実験の実施、宅配マップの作成などを行いました。


実施にあたっては群馬大学社会情報学研究センターに

ご協力をいただきながら、前橋中心商店街協同組合、

前橋市にぎわい商業課、当所との共同で事業を進めました。

中心市街地の活性化を視野に入れ、主に下記の事業を行いました。

    

    ■ 市内8自治会を対象として住民アンケートの実施

    ■ 買い物弱者支援策の社会実験:「まちバス~まちなか直行便~」の実施

    ■ 宅配マップの作成と宅配サービス




取り組みの成果と今後の課題

一連の取り組みの成果や今後の課題として、

以下の6点があげられます。詳細についてはこちらをご覧下さい。



    1.前橋市での高齢化の進展(中心部やその周辺・郊外の団地など)と
      中心商店街の必要性を改めて認識することが出来ました。

    2.アンケート調査から買い物弱者支援策に対する高い期待と
      年代・居住地ごとでの多様なニーズが存在することがわかりました。

    3.社会実験「まちバス」では、利用者からは一定の評価をいただきました。
      また利用者は非日常の品物やサービスを求める傾向にありました。      

    4.先進事例では、商店街の営業活動の枠にも留まらず
      コミュニティの再生を志向する傾向にありました。

    5.中心商店街では、まず自分たちで出来ることとして
      宅配マップを作成し、サービスの実施を開始しました。

    6.一連の取り組みを通してわかったこととして、買い物弱者支援策には
      単に買い物客の「利便性」や「身体的負担の軽減」という観点だけでなく、
      より広い観点からの位置づけが必要であることがわかりました。

 

 

買い物弱者支援取組事例集

群馬県では県内で取り組まれている買い物弱者対策をまとめた冊子を作成しています。


買い物弱者支援取組事例集